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UDLとは?

学びのユニバーサルデザインUDL

https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-16K04837/

概要

 日本におけるインクルーシブ教育システムの確立や、不登校やいじめのなどの予防のためにも、通常学級での多様な児童生徒の学びを保証する授業の改善が求められています。通常の学級に在籍する発達障害をはじめとする学びに苦戦する児童生徒にとって、「意欲的に取り組め、よく理解でき、表現できる」授業を作り出すことは理想ですが、そのための具体的な方策が必要です。

 私たちは、米国のCASTが提案している学びのユニバーサルデザイン(以下UDL)を活用し、多様な児童生徒が、「わかる」「できる」「もっと」と思うことができる授業に迫りたいと思います。
 現在行っている研究は、UDLガイドラインを活用した授業と教員研修の実際を米国で調査を行い、日本でのUDLの理論に基づく授業改善のための教員研修のモデルを構築しています。その効果について実践を通じて明らかにする予定です。
 UDLにおけるテクノロジ-活用についても、活用し実践の効果を検証したいと思います。

学術的背景

 文部科学省の調査では通常の学級に、LD、ADHD、高機能自閉症等、知的発達に遅れはないが学習面や行動面、対人関係において困難のある児童生徒が6.5%学んでいる。発達障害者支援法の成立から10年さらに学校教育法改正により、教師には、彼らも含めた多様な児童生徒が、「意欲的に取り組め、よく理解でき、表現できる」授業をつくりだす授業改善が求められている。

 米国では、すでに1990 年台から、the Center for Applied Special Technology (以下CAST)が、通常学級で学ぶすべての子供たちが、一般的なカリキュラムにアクセスできるように教えることや、学びをユニバーサルデザインの視点で再考することをすすめており、積極的に米国政府に働きかけ、WEBや教員研修を通じ概念や手法の発信に努めている。http://www.cast.org/

 学びのユニバーサルデザイン(Universal Design for Learning, 以下UDL)とは、実践的前提として、幅広い様々な学習の文脈のなかで、異なったバックグラウンドや学習スタイル、能力や能力障害のある個人がアクセスでき適切になるよう教育課程は代替方法を含むべきであること、ユニバーサルとは、誰にでも最適な唯一の解決策があることを意味せず、むしろ個々の学習者のユニークな性質と違いに対して調整する必要性に気づき、学習者にぴったりの学習経験を創造し、彼らの進歩する能力を最大化することを表す(Rose & Myer;2002)。

 認知科学やマルチプルインテリジェンス理論、ヴィゴツキ-の理論など、「人はどの様に学ぶのか」という科学的知見に基づき考案されたUDLは、通常の学級の児童生徒の学びの質を高め自ら学び続けていく学習者育成への授業改善の一方法を示している。思考力・判断力・表現力を育成することが求められる日本での実践的導入の試行とその効果の検証が求められていると考える。

 納富(2014)は、米国のInterstate New Teacher Assessment Support Consortium (INTASC) Standardにもとづく、UDLの視点を取り入れて作成されたインクルーシブ教育の教員養成用の大学教科書を入手し、翻訳を開始し一部を解説している。

着想

 本研究室は、教職大学院の教員として小学校や中学校の現職教員と共同で「通常学級における特別支援教育の推進」に関する実践研究に取り組み成果を上げてきた(宮田・納富 2011、阪本・納富2011)。その中で、多様性に配慮した授業改善の重要性を認識した。

 そこで、米国でのUDLの発展や実践について、著書や論文およびCASTのWEBを中心に調査を行い(納富2014),教職大学院の院生・修了生である現職教員と共同で「ユニバーサルデザイン授業による授業改善」という視点で、実践研究を進めてきた(千々和・納富2012)。

 その結果、千々和・納富(2013)は、小学校算数科授業にUDL を導入した学級としていない学級の児童生徒の1単元での学習目標の習得や算数科への態度の変化を比較し、UDLガイドラインを活用した授業を改善で、 学級全体の児童によい効果を、特に学びに困難のある児童の算数科の習得の定着に明らかな効果を認めた。導入手続きを明らかにして、一定の効果が実証できたので、新任教諭やキャリア段階の異なる教員に対して、コンサルテーションを行い、小学校の4実践で効果を検証し良好な結果を見出している。

 その後平成25年度福岡教育大学学長裁量経費を受け、UDL の授業実践を高度化していくために、申請者と現職教員とで「福岡UDL 実践研究会」を立ち上げ、定期的に研究会で授業実践のまとめや波及のための講習会を行い、実践の共有を行っている。

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